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香酸柑橘の種類【ライム】について育て方や情報
ライムはレモンに似たような強い酸味と独特の芳香が特徴の香酸柑橘です。生食には向かず果汁を搾ってお酒やジュースに加えたり、料理に添えてさわやかな風味を活用します。イギリスの大航海時代には壊血病で亡くなる船員が多くいたため、イギリス海軍は壊血病の予防策として活用したという伝説が残っています。壊血病の原因はビタミンCの不足だったということが後になって判明しましたが、ビタミン豊富で保存性に優れた特徴が役に立ったというわけです。インドが発祥とされ、日本では1970年代から栽培されていますが寒さに弱いという性質があり国内生産量は多くありません。
※植物図鑑の画像は無断でご利用いただけません
植物図鑑内容
果物分類の特徴
果物分類上は香酸柑橘はすべてミカン科ミカン属に当りますので、ライムも例外ではありません。香酸柑橘の同類にはレモン、ゆず、かぼす、すだち、シークワーサー、だいだいなどがあります。いずれもみかん類に比べて酸味が強くそれぞれ独特の香りを持っていて生職には向きません。
原産国の特徴・同様の原産国の果物紹介
ライムにはメキシカンタイプとタヒチタイプの2種類があり、メキシカンの方が小ぶりでタヒチは大きめです。それぞれ原産国はメキシカンはインド、タヒチはアメリカのカリフォルニア州に伝わり生産されています。インドは温暖な気候で果物が豊富です。パパイア、マンゴー、グアバ、バナナ、スイカといった日本でもお馴染みのものからチクー、アムラなど馴染みのないものまで生産されています。もう一方の原産国カリフォルニア州も西洋梨、オレンジ、グレープフルーツ、リンゴ、チェリーなど日本に輸入されている果物が多く生産されています。
種まき時期に関しての注意特徴
種まきから栽培するのは難しいですが、3月から4月が植付けの時期です。地植えは日当たりの良い場所を選び、40cmほどの深めの穴を掘って植付けます。注意点は苗木の長さを1/3ほどにつめること。それによって後に枝がよく伸びます。
収穫時期に関しての注意特徴
植付けから3年から4年で実をつけるようになってきます。収穫時期は9月ころが適切といわれています。葉実は熟しすぎて黄色くなると香りも酸味も激減してしまうので、必ず緑色のうちにヘタのあたりから切り取って収穫しなければならないことが注意点です。
病害虫の特徴
アブラムシやハダニカイガラムシなどが主な病害虫です。中でも特にアブラムシは、新芽の出る3月から4月頃に発生しやすいです。これらは、定期的な葉水をすることで防ぐことができます。また、アゲハチョウの幼虫(アオムシ)などがつくと葉を食害するので観察が必要です。
栄養分に関しての特徴
含有される酸味の主成分は、クエン酸です。クエン酸は多くの柑橘類に含まれていますが、疲労回復に効果があります。ビタミンCはレモンほど多くはありませんが風邪の予防や美肌に効果を発揮します。また、エリトシオンという成分には抗酸化作用があります。
育てるのに必要なアイテムおすすめアイテム
育てるのに必要なアイテムには挿し木が挙げられます。挿し木をすることで果実の数を増やすことができます。そして、寒さに弱いため防寒対策が必須アイテムとなります。防寒対策には、冬に樹の根元を腐葉土で覆うといった施策が必要です。
果物の歴史
原産地はインド北東部からマレーシアあたりとされています。歴史は古く、13世紀にイスラム教徒のムーア人がヨーロッパに持ち込んで普及していきました。その後16世紀になるとスペインやポルトガルの探検者たちによってアメリカ大陸へ伝わりました。大航海時代の壊血病予防に使われたことは前述の通りです。
おすすめの食べ方料理方法
生食には向かない香酸柑橘なので、果汁を飲み物や料理に使用します。いいライムの見分け方は、皮にツヤとハリがあり、鮮やかな緑色をしていて、持ったときに実が詰まっている重量感があって、また皮が薄いものが良い果汁を含んでいます。黄色がかった色のものは収穫から日が経って酸味が抜けています。活用方法としては、ジュースやお酒の飲み物に加えるのが最もポピュラーです。お酒ではジンライムというジンに果汁を合わせるだけというシンプルな製法のカクテルですがとても相性抜群です。料理では、サラダのドレッシングに加えたり、魚料理の風味付けに使うのも香酸柑橘の香りと風味を活かしたおすすめの食べ方です。
果物育て方の注意点まとめ
ライムは寒さに弱いので、冷たい風が当らない日当たりの良い場所を選ぶことがポイントです。0度以下の寒さには耐えられないので注意が必要です。用土は水はけがよく栄養分を豊富に含んだ土が適しています。剪定は3月から4月が適切な時期で、実がつくようになったら前年に結実した枝には実がつかないのでその枝を間引きます。また、余分な実は自然に落下するので摘果は必要ありません。剪定もそれほどこまめに行う必要性はなく、樹形をきちんと仕立ててさえあげれば3年から4年で実がつき、手間はあまりかからない育てやすい果樹であるといえます。
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