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中国ナシ(中国梨)の種類【千両(身不知)】について育て方や情報
千両(身不知)は中国ナシ(中国梨)の一種です。中国ナシ(中国梨)は洋ナシの形にいていますが、洋ナシほど上の部分が突出していない紡錘形がほとんど。黄色っぽい緑色をしています。比較的大型で、400グラム程度に育ちます。また洋ナシの特徴である果実が少なく触感が柔らかいといったものではなく、和梨と同じようなシャリシャリした歯触りと果汁が特徴です。香りがよく、風味豊かです。国内の生産量が多めではありません。希少性があり、贈答用として用いられることも多くみられます。北海道余市町で、明治時代に発見された偶然実生の梨です。1922年に命名されました。
※植物図鑑の画像は無断でご利用いただけません
植物図鑑内容
果物分類の特徴
千両(身不知)はバラ科ナシ属です。果物分類は梨ですが、和梨と区別するために、中国梨と呼ばれます。秋の果物として、10月から12月にかけて店頭に並びます。「身不知(みしらず)」は、ほかの果実にもつけられることが多い名前ですが、美味しく珍しい品種に付けられる傾向です。
原産国の特徴・同様の原産国の果物紹介
中国ナシ(中国梨)に限らず、梨の原産国は中国ですが、千両(身不知)は、偶然実生したものが北海道余市町で見つかり、そこから広まっています。同じく中国ナシ(中国梨)である鴨梨や慈梨があります。芳醇な香りとジューシーな味わいが特徴です。鴨梨は明治時代に、慈梨は大正時代に、中国から導入された品種です。偶然実生とは違い、原産国は中国とはっきり言えます。千両(身不知)については中国ナシ(中国梨)に由来していることは間違いありませんが、日本で生まれている品種であることから、原産国を日本と言っても差し支えないとも考えられます。
種まき時期に関しての注意特徴
自分の花粉では受粉しません。結実させるために、交配不親和性を考慮しつつ、他品種と混植することが必要です。種まき時期というよりは、苗木で増やします。植え付けは12月ごろか3月ごろが適しています。60センチから70センチほどで切り返して植えます。
収穫時期に関しての注意特徴
10月から12月が収穫時期。熟すと強い芳香を持ち始めるため、鳥や虫が喜んで食べに来てしまいます。傷がつくと腐りやすくもなりますので、完熟を待たずに収穫し、追熟しましょう。木で完熟させる和梨より早いタイミングです。冷涼で雨の少ない土地での栽培が適し、日本では東北以北が良いとされています。
病害虫の特徴
中国ナシ(中国梨)の病害虫の被害は少なくありません。黒星病は落ち葉で越冬しますので、落ち葉の処分で予防。黒斑病は、枝にみられる病斑や芽の剪定で予防。赤星病は柏槇で越冬しますので、柏槇の側に植えないことが必要です。
栄養分に関しての特徴
栄養分はカリウムを含み、植物繊維も豊富です。そのため便秘改善や高血圧予防を期待できます。また近年は他の梨と同様に、一日1個の梨でお肌の水分量が増えるといわれ、美容の面からも積極的に食する人も多くなっています。
育てるのに必要なアイテムおすすめアイテム
果皮に傷が入らないように気を付けましょう。糖分量も多くジューシーですので、傷から腐りやすくなってしまいます。実が育ち始めたら、保護しつつ通気性の良い袋をかけるのもおすすめです。上部が固定しやすくなっている果実袋をアイテムとして持っておくと便利です。
果物の歴史
中国ナシ(中国梨)自体は中国から始まったとされています。紀元前150年くらいには数種の品種が栽培されていたとのこと。日本における梨についての記述は『日本書紀』にすでに見られますが、本格的な栽培が始まったのは明治時代からです。千両(身不知)も発見された明治時代から栽培がおこなわれました。
おすすめの食べ方料理方法
果皮が緑色から黄色みを帯びてくると、そろそろ熟し始めた時期です。木で完熟させる和梨よりも早いタイミングで収穫します。鳥や虫に食べられる前に収穫し、追熟を行うのもおすすめです。軸の周辺を押して柔らかい感触があれば食べごろです。香りもさらに強まってきます。しっかり追熟させてからの生食もおすすめの食べ方です。冷蔵庫で2時間から3時間ほど冷やすと、さらに美味しくいただけます。火を入れても崩れず、甘みが増すことから、パイやコンポートに用いられます。またすりおろしてゼリーやシャーベットに用いると、香りや触感を残しつつ、さわやかな酸味を楽しむことができます。
果物育て方の注意点まとめ
肥料は有機質肥料を12月ごろに与え、実をつけるようになったら3月と9月から10月の収穫後に、速効性のある化成肥料を与えます。摘果を2回に分けて行います。1回目の摘果は開花後30日から40日の間に行い、1花そうにつき1個をのこします。病害虫果や極小のもの、奇形があるものから取り除きます。一回目の摘果から10日から20日後に二回目の摘果を行い、20センチほど間隔をあけ、なおかつ葉数が一果に25枚から30枚ほど割り当てられるように心がけます。それによって果実が大きく育つようになります。二回目の摘果の後、袋かけを行いましょう。
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