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アンズ(杏)の種類【信山丸】について育て方や情報
「信山丸(しんざんまる)」とは、アンズ(杏)の品種の一つです。アンズは別名「カラモモ(唐桃)」とも呼ばれ、東洋系の品種は中国北部で形成されたため、このような呼び方もします。英名では「アプリコット」と呼ばれることもなり、アンズ(杏)を原料としたジャムをよくアプリコットジャムと呼ぶことがあります。アンズ(杏)は、果物の中でも比較的酸味が強いため、ジャムなどに加工されることが多いですが、信山丸は比較的酸味が少なく甘みが高いため、生食でも美味しくいただけます。アンズ(杏)は熟すと傷みが早く、あまり日持ちがしません。そのため、保存する場合は冷蔵庫に入れ早めに食べるか加工するようにします。
※植物図鑑の画像は無断でご利用いただけません
植物図鑑内容
果物分類の特徴
アンズ(杏)の果物分類としては、バラ目・バラ科・サクラ属の落葉小高木で、この樹木に実る果実を食します。種類も豊富で、大きく分けると日本や中国などの東洋系と、アメリカなどの西洋系に分類できます。近縁種には、アーモンドやスモモ、ウメなどがあります。
原産国の特徴・同様の原産国の果物紹介
アンズの世界的原産国としては、アメリカ・カリフォルニア州が有名ですが、信山丸は長野県果樹試験場にて、山形3号の実生選抜より生まれました。このアンズの重さは約40g~50gとやや小ぶりで、生食のほかジャムなどの加工にも適した品種です。アンズの中でも香りが非常に良い種類で、酸味が少ないのが大きな特徴です。ただし、生産数が非常に少ないことと品質が高いことから、アンズの中でも高級品に分類されます。アンズは、生食でいただける品種は少ないため、信山丸のようにそのままでも美味しく食せる品種はとても貴重だと言えます。
種まき時期に関しての注意特徴
種まき時期に関しては、アンズが出回る7月ごろに、果肉をきれいに取り除ききれに水洗いをして植え付けると、翌年の春頃には芽を出します。植え付ける際は、温かい場所へ移動ができるプランターなどに培養土を入れ、種の水けを取らずに植え付けます。その後、土が乾燥しないように適度な湿り気を与えます。
収穫時期に関しての注意特徴
収穫時期に関しては、出荷されるのが6月下旬ころからとなっているため、収穫は6月中旬~7月ごろとなっています。アンズは他の果物と比べ収穫時期が短く時間との勝負なため、朝早くから収穫作業が始まります。特にこのアンズは果実がデリケートなため、収穫する際には一つ一つ丁寧に扱うことが大切です。
病害虫の特徴
近年の気候の変化により病害虫の特徴が変わってきています。温暖化により灰星病が増えています。この病気は収穫の2週間~3週間前に果実が褐色の病斑を伴い表皮がもろくなる病気で、発症すると2~3日で全体に広がります。害虫ではカメムシや蛾などが寄生するため、定期的にチェックし駆除します。
栄養分に関しての特徴
アンズの栄養分に関しては、βカロテンが非常の多く含まれており、その他にもカリウム・クエン酸・リンゴ酸などが含まれます。そのため、高血圧・動脈硬化・脳梗塞・心筋梗塞などの予防効果、老化防止、疲労回復、冷え性などに効果があります。また、種の仁にはぜんそくや咳止めの効能もあります。
育てるのに必要なアイテムおすすめアイテム
このアンズを育てる際に必要となるアイテムとしては、植え付けの際に水はけが良く、栄養分の高い土を好むため、腐葉土や堆肥などを用意します。また、鉢植えでは赤玉土と川砂も一緒に用意しましょう。年に2回ほど肥料を与えるため、化成肥料も必要です。
果物の歴史
アンズの歴史は2000年前とも4000年前とも言われており、原産は中国北部・中央アジア・ヒマラヤ西北部などとされています。信山丸の歴史は1980年とそれほど古くはなく、長野県の果樹試験場にて別品種である山形3号から品種改良され、この年に品種登録されました。
おすすめの食べ方料理方法
このアンズの食べ方としては、まずは一度生食でいただくことをおすすめします。数少ない生食用品種でもあり、甘味と酸味のバランスが良いのでそのままでも美味しくいただけます。また、この品種の特徴でもある高い香りと甘みを生かすため、アンズジャムに加工してタルトやクッキーなどのスイーツに利用するのもおすすめです。特にアンズジャムはタルトとの相性が良いので、香りの良いものが作れます。また、料理のソースとしても利用することができ、鶏肉や豚肉のソテーに加えるソースにアンズジャムを少量加えることで、肉の脂っこさと臭みを取ってさっぱりといただくことができます。
果物育て方の注意点まとめ
アンズの育て方で重要なことは、成長して伸びすぎた枝を切り詰める剪定や整枝作業です。特に邪魔な枝を切っていく間引き剪定はその果物を育てるための基本作業です。枝を切って間引きを行うことで、新しい枝が伸びてくるほか、風通しも良くなるので病気や害虫の予防ができます。また、春になりアンズの花が咲き始めたら、人工授粉を行うとより結実が良くなります。この作業は必須ではありませんが、開花時期が春先なため場所によっては昆虫が少ない場合もあります。そのため、より多くの実を付けさせるためにも、人工授粉を行うと良いでしょう。
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